マッスルカーの代名詞「マスタング」を時代に適合させて蘇らせたフォード
世界の自動車市場において、かつてビッグスリーと呼ばれたうちの1社がフォードです。1960年代後半から70年代初期にかけ販売されていた『マッスルカー』と呼ばれる車は、中型のボディに対してハイパフォーマンスのエンジンを搭載したアメリカ車の総称。
フォードはマッスルカーの生みの親
フォード・マスタングは、この『マッスルカー』の代表的な存在。もっとも強力なファストバックはV型8気筒4.7Lエンジンを搭載し、重低音が響き渡るエグゾーストノートは圧倒的パワーを誇りました。マスタングはアメリカンマッスルのシンボルとして、発売してから約2年弱という短期間にも関わらず100万台を販売した実績を残しています。
マッスルカーのリバイバルブーム先駆者でもあるマスタング
マスタングはその後も販売を継続していましたが、オイルショックやエコカーの普及といった時代背景の影響をもろに受けます。時代背景もあり、マスタングのマッスルカーとしての存在意義は徐々に薄れ一時人気は低迷しました。しかしフォードは最近のネオアメリカン・リバイバルブーム受けて、初期を強く意識したモデルを6代目より販売。現行マスタングは、7代目になっています。
フォードの特徴
全盛期のフォードは、オーストラリアやヨーロッパに拠点を構え、現地に適正なモデルを独自開発していました。時代が進み世界的戦略が必要不可欠になると、各地のフォードを一本化。クオリティ・環境性能・洗練度・安全性の4項目を、世界の自動車産業の最高峰にまで引き上げた車種をワールドワイドに販売していくという経営方針を定めました。
Aセグメントから大型高級車まで生産するフォード
現行フォードも、ヨーロッパでもっとも小型のカテゴリーであるAセグメントから、大統領専用車にも使用される大型高級乗用車リンカーン・コンチネンタルまで幅広く取り扱っています。
フィードの屋台骨を支えるピックアップの存在
とりわけフォードは、ピックアップ・SUVの車種を豊富に揃えており、北米では日本車を押さえ販売台数NO.1の栄光を奪回。時代の変化に適合させつつ、以前のようなパワフルなアメリカ車であり続けていることが、新しい新たなフォードの特徴だといえます。
フォードの代表的な車種
フォード・マスタング
俗に言うベビーブーマーをターゲットとして開発されたフォード・マスタングは、フォードT型以来の大当たりとなりました。マスタングは今なお圧倒的な人気を誇り、フォードの象徴として掲げられることも多い車です。
カスタムカー・チューンドカーのベースとしも親しまれるマスタング
マスタングは、カスタムベース車としても人気が高い車種。最も安いグレードのV型6気筒エンジン搭載の2014年モデルは、22,200ドルと比較的低価格であること。社外品のカスタムパーツも潤沢であることから、カスタムベース車両としてアメリカ本国では人気です。
フォード・マスタングは初代から現行モデルに至るまで一貫し、2ドアに4~5人乗りのレイアウトにこだわり続けるモデル。まさに「マッスルカー」または「ポニーカー」と称されるアメリカン2ドアクーペ(ハードトップ)の王道といってもいいでしょう。
フォード・Fシリーズ
1948年からフォードが製造・販売しているフルサイズピックアップトラック型の自動車であるFシリーズ(F-Series)。名称は車体が大きくなるにつれ、’F’に続く数字が大きくなります。F-250以上のモデルは1999年以降、スーパーデューティーとして独立。以降、主にFシリーズとはF-150を指す(英語圏の発音はエフ・ ワンフィフティ)ように。メキシコではフォード・ロボ(Ford LOBO)の名称で販売されています。
トラックでありながら全米でもっともヒットしたFとF150
Fシリーズは1948年の生産開始以来、累計生産台数は2010年5月ついに3,390万台に到達。年間の販売台数が全米第1位になることも。Fシリーズは全自動車部門において28年間、トラック部門では31年もの間、販売台数全米1位を誇っています。さらに2007年の年間売り上げにおいては、76万台を達成し。まさにアメリカを代表する、ピックアップトラックの代名詞と言っても過言ではありません。
アメリカ南部で絶大な人気を誇るFシリーズ
Fシリーズは、アメリカ中西部・アメリカ南部、特にテキサス州では絶大な人気を誇ります。GMのシボレー・シルバラードなど競合各社が対抗車を投入する中で、年間販売台数1位の座を維持し続ける、まさにフォードの牙城ともいえる車です。